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このひとでなし

短歌のまとめとそれ以外の語り

ハルチカを見た

※ネタバレあります

3/11にハルチカを見た。
発表されたときに絶対原作読まないで挑むぞと思ってたのにまあうっかり読んでしまったよな。(空想オルガンの途中まで読みました)

neinですよこれは。

(neinはサンホラのアルバム、一個の要因を消したら物語はどう転ぶかみたいな話)
草壁先生をもう一度表舞台に立たせたいという目標がないだけでハルタとチカはこんなに仲良くなれるのか…とおもった。いやそれだけじゃないんだけど一番大きいとこはそれだなと思った。
原作は草壁先生というひとつの目的のためにチカちゃんたち吹奏楽部は団結しているので割りと吹奏楽そのものについては淡々と進んでる感がある(意図的に描写が少なくされているというのもある)ので、チカちゃんがソロパートをうまく演奏できずに個人練習を言い渡されたのをきっかけに部員同士で大きな喧嘩になるシーンはええ~まじか~という感じ。
多分個人個人が吹奏楽をする目的(大会に出る目的)がちがうから起こる衝突なのかなと思った。もめるよね~そりゃね~!
そんでまた多分チカちゃんによって入部した部員と部員が増えたから出戻ってきた部員の間の目的の違いが一番大きいからチカちゃんをかばう人とチカちゃんをなんとかしたい人でもめるしそれをきっかけにそれ以外の部分のダメなところが表出したのがあのシーンなのかなと思った。
ハルタがチカちゃんきっかけでその場を取り合えずおさめたりしてるのでもしかすると草壁先生が立っていたところにチカちゃんが居るのかもしれない。
(かと言ってハルタがチカちゃんに恋愛感情を抱いているのかというとそれもまたちょっと違うかもしれない)

めちゃよかったところ

橋本環奈ちゃんが佐藤勝利くんをめっちゃ殴る。
なんでも拳で解決するゴリウーが好きなもんですからそらもうたまらんと言うもんよ。まして橋本環奈ちゃんですよ。これが最高じゃなくて何が最高なのか。
また殴られる勝利くんがいいんだなこれが…。このハルタは成績はいいけど原作のハルタと違って優しさがあるので殴られっぱなしなんだな。殴られたあとに弱々しく患部を抑えるのもまたよし。
バスの窓にガツガツ頭をぶつけられて理不尽な提案をされるシーンの嫌そうな顔とか互いを認識した時の回りの乗客に押し潰されてるところとかなんとなくかっこつかないところがまじでああ~いいダシ出てますね~~~!!!という感じ。
ゴリウーとへっぴりファイター、これね!

過労で倒れたハルタと草壁先生の対話
原作ではハルタとチカは草壁先生をめぐって火花を散らしているわけですが、このシーン原作だったらふつうに抜け駆けだよな~そして抜け駆けさせないためにチカちゃんは居座るよな~っていう。そんで練習しろって怒られてグヌりながら出ていく。
あのね~何がいいってね~佐藤勝利くんのうっすい身体が保健室のベッドに横たわってるところだよ。
まずそこにいくまでに倒れるハルタが美少年信者としてはああ~ありがてえ奴~ってなってめっちゃ拝んだし、倒れて運び込まれてからの部員がベッドを囲んでいるところなんかはちょっとブッダ入滅的な趣がありましたね。
まあ夏服になってからのあのほっそい腕とかもう全体的に最高みたいなところがあったんですけどベッドに横たわってるっていう付加価値がつくことで値段が倍以上にはね上がるってワケよ。
あとそこまでの間での草壁先生がずっとただめちゃくちゃ辛辣な人だったのでここのシーンでちょっと印象がやわらいでよかったなと思った。


チカちゃん逃亡後の港のシーン
エモが過ぎる…
くっつきそうでくっつかない背中を凭れかけるあの距離感に二人だけの関係を感じとってウワーッありがとうございます!と思った。
もうこのシーンを拝めただけで全部がチャラにできる。(しないが)
この背中合わせのあとのハルタがチカちゃんを抱き締めるところのチカちゃんのセリフ「大きくなりやがって」がまた最高だった…自分の庇護下にあると思っていたハルタが実はもうそれだけじゃないって察したチカちゃんのいろんな感情がつまったセリフだなと思った。

コンクール後のバスでの再会のシーン
一番最初のバスのシーンのリフレインなわけだけど、最初のシーンではチカちゃんが希望をもってフルートを抱いてバスに揺られていたのに対して、コンクールでの失敗を引きずったままのチカちゃんはフルートを持たずにバスに揺られているという対比になってる。
あのシーンが最高だったのはそれまでやり返さなかったハルタがチカちゃんの言葉を借りてチカちゃんに仕返しをしたところで、その上でしかも「わざと」と言ってのけたところなんですわな。
また同じことを繰り返すけどそれまでのハルタはチカちゃんにずっと殴られっぱなしで、高校でも吹奏楽を続ける一番最初のきっかけもチカちゃんだったので力関係では完全にチカちゃんの方が上だったわけだけど、「チカちゃんに仕返しする」「チカちゃんに吹奏楽部に戻ってきてもらう」って行動によって鏡あわせのシーンになってるので、そこで二人の力関係がイコールになったんだなというのがわかってめちゃよかった。(おれは鏡あわせに弱いマン)

やべえと思ったところ

茶畑のシーン
部員集めのあとのダンスシーンを見て「あっこれバニラボーイで見たぞ~」と思った。まえだまえだ兄が居るので既視感マシマシでどうしようかと思った。こうなってくるとまえだまえだ兄が監督に演者を踊らせているのではないかと言う疑惑が出てくる。サンプルがふたつしかないですが。
静岡と言った以上茶畑で静岡感を出すしかないみたいなアレなのかな(これバニラボーイでも言ったな…)
最初に部室のシーンで次々に部員が現れるっていうのがピタゴラスイッチ的でこりゃたのしいぞ!と思ってたらアレなので大変ズコーッとなった。

部員集め
もう物語の半分くらいを否定することになるんだけど、あまりにもなんかこう荒っぽいというか…
いやそりゃ全部細かくやったら収まりきらんよなというのはあるけど、まずもって部長と彼女が戻ってくるところがなんであんだけ楽譜燃やしてたりしたのにこんなあっさり戻ってくっかな!?というのがある…。
そんでサックスの宮本くんなわけですがチカちゃんが吹奏楽部に入部したいと思ったことを説明するシーンでもあるのでまあいらんと言うことはないんだけど、あまりにも簡単にほだされすぎじゃない?っていうのがめちゃある。ここでハルタがなんか適当な理由をさらにくっつけて援護でもすればまだもうちょっと納得できたかなという感じなんだけどなんせハルタが静かなもんですからね!
なんかね~ほんとね~説得の方法が露骨でしたね~
チューバの米沢さんにしてもアレはちょっとヘタしたらめっちゃ嫌われる奴…と思った。(その前の宮本くんを取っ捕まえて押さえつけるシーンはわりと好きなので紙一重)
カイユのところはアア~そんな即ラジオバラすか~というのもあったんだけどそら尺的に厳しいかというのもありまあなしゃーないか…?しゃーなくないか…?つーかカイユ登校できたとしてその後のことは…?いやしゃーないか?みたいな…ていうか進級できてたんだねよかったね…
に続いてまあ大体集まってからのバーッときてバーッのダンスシーンなのでおまえー!?みたいなところでした。

世界がチカちゃんに優しすぎない?
優しすぎない?っていうのと厳しすぎない?っていうのがめっちゃ紙一重なんすよ。
っていうのも最後の演奏シーンはチカちゃんのために吹奏楽部のみんなが画策したことなわけだけどそこがもう優しすぎない?っていうのと、じゃあなんでチカちゃんにめちゃめちゃ優しくする流れがあるのかというとそうなるまでの状況がチカちゃんにとって厳しすぎたからなんすよ。じゃあなんで厳しい状況なのかって言ったらチカちゃんに対してみんなが優しすぎたからなんすよ。
チカちゃんは高校入学と同時に吹奏楽をはじめるわけですが、それまではフルートを吹いたことすらなくて、部員のなかでは一番へたくそなんだけど、フルートの練習方法を教えてくれる人や練習に付き合ってくれる人っていうのが誰もいなくて、ピッコロ奏者の先輩が出戻ってきたことでやっと指導者を得た。この先輩の指導というのも経験者特有のやればわかるだろみたいな教え方なのでそらチカちゃんには出来ないわなというところ。
じゃあなんでそうなっちゃったかというと他の部員、ハルタや部長たちがチカちゃんに「おまえヘタだぞ」って言えない人たちだったからかなと思う。なんかまた原作の話かよという感じなんだけど原作だったらこのチカちゃんがドヘタというのがみんなわかってるのでハルタや成島さんマレンや芹澤さんらが辛辣な言葉を浴びせたりして発破をかけるんだけど映画だと部員でそれをする人っていうのがピッコロの先輩だけであとは草壁先生に皺寄せが行ってる印象。全然みんな優しすぎてチカちゃんがチカちゃんというだけでちょっと許されてるんじゃないかと思ってしまった。なもんでみんなが優しすぎるおかげでチカちゃんは厳しい状況に立たされて、コンクールでのミスからのチカちゃんのための演奏会が優しすぎでは~~~~~!?っていう奴です。

最後のシーン
これは茶畑のなんかよくわかんない合宿っぽいシーンの話とも近いんだけどイメージ映像と現実が混乱しててなんやこれ…と思った。
もともとちょっと世界中みんながなかよくおどっているねみたいなのが苦手というのもあるんだけど最後みんなで踊り狂ってるのを見てなんやこの部族は…と思った。
あとまあ校内のあちこちにいて合奏するのめっちゃ技術いるだろってツッコミもあるからアレなんだけど中庭に唐突に現れるティンパニやらの大型楽器でズコーッとなった。そこは別に音楽室でもよくねーか!?っていうのがある。あそこにあるとお膳立て感が強くて「授業中どこからともなくホルンの音が~」みたいなポエミイな気持ちが急速にしぼんでいくのでもっとなんとかならんかったのかと思った。
まーーーーーーでもとにかく最後の踊り狂う民衆があわねえことあわねえこと。
なんでハルタとチカの関係は上手にあわく描けるのにそこは露骨な表現をえらぶ!?と思った。宙返りをする人とかが混ざってたり手を繋いでぐるぐる回ったりキスしたりっていうのが安易すぎて最後の最後にめちゃくちゃ疲れた。
部員が混ざっちゃってるのがまた「あ~あ」感があったな…。
なんかせっかくハルタがチカちゃんの撒いた伏線を回収するめちゃくちゃいいとこなのになんでこんなモロ出しのものをぶら下げられるのか…

まとめ

原作既読なら前半部はダイジェスト版という感じかもしんない。
いくつかは行間の補完ととれないこともないシーンがあったのでははーなるほどね~と思うかもしんない。蛇足と思う人は蛇足と思うかもしらんが。
とにかくほんとにハルタとチカの関係がむちゃくちゃエモくて顔面パワーに殴られるためだけに行ったのにちゃんとこの関係性にアツさを感じられたのでそこはほんとにむちゃくちゃスーパーよかった。
ただそこのこちらに委ねるような空気の表現に対してそれ以外のシーンでの露骨すぎる表現がまじでドギツかったのでなんかそこでダメな人は多分ダメだと思う。現にわたくしもドーッと疲れてしまった。
ま~でも結局好きなアイドルが出てる段階でよかったって言うことは決まっちゃってるんだよな~!よかったです!